『虹の向こうがわ』
【 虹の向こうがわ 】
長い雨が上がった。
厚い雲が割れ、眩しい日差しが
戻ってくると、
空に大きな虹が出た。
青空いっぱいに描かれた、
カラフルな光のアーチ。
どの色も鮮やかで、輝いて見える。
赤、橙、黄、緑、青、紫…
色と色の間にも、
数えきれないほどの色が、
幾重にも重なって形作られている。
たくさんの色、個性。
一つ一つが、唯一無二の存在で
美しい。
大きな虹の橋。
それは、小さく美しい色たちが
調和してできた集合体。
他の色には出せない、自分だけの色。
自分だからこそ出せる、自分らしい色。
心惹かれる、魅力的な色のハーモニーが
そこにある。
虹の向こう側には何があるのだろう。
今はまだ、はっきり分からないけれど
心では確かに感じている。
踊り出したくなる様なワクワク感と、
聞こえてくるたくさんの笑い声。
明るい足音が、こだまする。
新しい世界が、
もうすぐ始まる。
優しい気持ちに包まれて、
ゆっくり深く、息を吸う。
そっと微笑むと
私はまた、歩き出した。
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